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概要

未来へ伝えたい阿武の昔ばなし

お着様のいわれうのでした。くのをやめてしま村人たちもつい聞でしまう様子に、い詰つめると涙なみだぐん明かしません。問素す性じょうはどうしてもとても元気になり、村人たちとも親しくなりましたが、秋になれば柿かきや栗くりなどを届とどけたりしました。お姫ひめ様さまはりと言えばお寿す司しを、春先には香かおりのよいわかめを、村人たちはとれた魚や野や菜さいを持って行ったり、お祭てお姫ひめ様さまを住まわせることにしました。みようということになり、「着ちゃのく浴えき」に小さな庵いおをり建たてれでもせっかく命を助けたことだからみんなで面めん倒どうをましたが、お姫ひめ様さまは泣なくばかりで何も答えません。そ国の殿との様さまのお姫ひめ様さまか?」、村人たちはいろいろ聞いてみ様さまじゃろう」「京都のお公く家げ様じゃあないか」「隠お岐きのさて、ひとり残のこったお姫ひめ様さまに「身分の高い家のお姫ひめ〔資料提供大野英徳氏〕なってから高たか嶺みね神じん社じゃ(お伊い勢せ様さま)に合ごう祀しされました。の古い瓦かわらの破は片へんが残のこっています。「お着ちゃく様さま」は明めい治じに「お着ちゃく様さま」の祠ほこら跡あとには大きなソテツの古ふる株かぶがあり、祠ほこら「お着ちゃく様さま」の目め印じるにしなったということです。杉すぎや白びゃく檀だんの木を植えました。木はやがて大きく育ち、庵いおのりあとに小さな祠ほこをら建たてて「お着ちゃく様さま」としてまつり、美しいお姫ひめ様さまの哀あわれな最さい後ごを悲しんで、村人たちは辺べの岩の上にお姫ひめ様さまの櫛くしが一つ残のこっているばかり…。つりとお姫ひめ様さまの姿すがもた見えなくなりました。あとには浜はまなっても帰ってきませんでした。そしてその日以い来らいふっ若わか者ものが夜遅おそくに着ちゃのく浴えきに出かけて行きましたが翌よく朝あさに「今夜こそ、わしが正体をつかんじゃろう」ひとりの災さい難なんが起こりゃあせんか…?じゃないか?このままにしちょったら筒つつ尾おに大きなるんじゃないか?何か大きな罪つみを犯おかして逃にげてきたんそのうちにうわさが立ち始めました。狐きつがね化けちょ17