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概要

未来へ伝えたい阿武の昔ばなし

鶴島の悲話ところがあるとき、殿との様さまからこのあたりの海を干かん拓たくこんな反たん物ものことだろうと評ひょう判ばんでした。さんの織おった反たん物ものは色いろ柄がらも美しく、鶴つるの千せん羽ば織おりとは立てもやさしく親切で働はたきら者。機はた織おりも上手で、お鶴つる村にはお鶴つるさんというきれいな娘むすがめおりました。気魚や貝をとり、仲なかよく平和に暮くらしていました。した。村人たちはお米を作り、波の静しずかな日には海で浜はまも田んぼも海で、入り江えの中には小さな島がありま昔、奈な古ごの遠とお根ねから宇う久くにかけては海でした。清きよヶが山にまつわるお話です。小さなおまんじゅうのような小山があります。この小清きよヶが浜はまの美しい松まつ林ばやにし続つづく田んぼの中に、ぽつんと鶴つる島しまの悲ひ話わやさしい娘むすめ村のために命を捧さげさたじことを思っていたので「そうじゃ、そうじゃ」と意柱ばしをらたてるしかないじゃろう」みんな、胸むねの内では同ある晩ばん、ひとりの男が言いました。「こうなったら人ひと業をしても、また流されるという日々が続つづきました。は毎まい晩ばんのように話し合いました。知ち恵えを出しあって作進みません。「どうしたらええじゃろうか」と村人たちなくなってしまうことがしばしばで、作業はなかなかげた堤てい防ぼうが荒あら波なみにさらわれ、一夜のうちにあとかたもましたが、せっかく積つみ上若わかい人たちは一いっ生しょう懸けん命めい働はたらきなり、収しゅう穫かくは減へりました。お年とし寄よりや子どもの仕事にた。田んぼ作りや魚とりはもみんな作業にあたりましから、村の若わかい人は男も女作業機き械かいなどありません出ました。今と違ちがって大おお型がたして農地にせよとおふれが18