ブックタイトル未来へ伝えたい阿武の昔ばなし
- ページ
- 25/114
このページは 未来へ伝えたい阿武の昔ばなし の電子ブックに掲載されている25ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは 未来へ伝えたい阿武の昔ばなし の電子ブックに掲載されている25ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
未来へ伝えたい阿武の昔ばなし
郷川に水がなくなった話ち去りました。さて、その夜のことです。その女の人が寝ねている枕まくら元もとに白い衣ころをも着た老ろう人じんが現あられわ、「わしは昼間、水を一いっぱい杯飲ませてくれと頼たのんだ者じゃが、あんたの欲よくの深いのにはたまげたぞ。そろそろ田植えも始まる頃ころじゃが、郷ごう川がわには水が流れんようにするからの」と告つげました。女の人ははっとして起きましたが、老ろう人じんの姿すがはたどこにもありませんでした。女の人は大たい変へんおそろしくなり、「昼間、いらいらしちょってあんな冷つめたいことをしてしもうた。おじいさんはくたびれてのどがかわいて、水をほしがっちょったのに、悪いことをした。ほんとに水が流れんことなったらどうしょうか」と自分が旅人に邪じゃけん険なふるまいをしたことを後こう悔かいし、深く反はん省せいしました。その後、郷ごう川かわの水は、おじいさんの言葉のとおり、地表から姿すがをた消し、地下を流れるようになってしまったということです。〔資料提供西村信海氏〕23