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概要

未来へ伝えたい阿武の昔ばなし

盗まれた財布た無む実じつの罪つみが晴らされることを一心に念ねんじました。二十一日の願がんをかけ、毎日お参まいりして自分に着せられいそう悔くやしい悲しい思いをしました。そして天神様にその女中さんは盗ぬすんだ覚おぼえなどありませんから、た暇ひまをやって実家に帰してしまいました。が大おお旦だん那な様さまの財さい布ふを盗とったのじゃろう」と疑うたいがをかけ、さんが何人もいました。そのうちのひとりに「おまえや女中さんがいたもので、中村家にも住み込こみの女中昔は大きなお屋や敷しきにその家で寝ね泊とまりして働はたくら男おとこ衆しゅういうことになりました。ましたが見つからず、これは誰だれかが盗ぬすんだのだろうとがなくなりました。みんなで心当たりをあちこち探さがしあるとき、西地区のお金持ち、中村の大おお旦だん那なの財さい布ふ昔のお話です。盗ぬすまれた財さい布ふ満まん願がん成じょう就じはゅお祭りの日両りょう側がわにはたくさんの人が並ならんで馬が走るのを見物して神様の前まで馬を走らせるのが恒こう例れいで、その日も道のの車が出ますが、以い前ぜんはこのほかにも集落の端はしから天やってきました。秋の天神祭りには、今でも神み子この舞まいやがて秋風が立ち、天神様のお祭りが行われる日が24