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概要

未来へ伝えたい阿武の昔ばなし

大覚寺の十一面観音巨きょ大だいな岩がすっくと立ち、尊とういと雰ふん囲い気きの漂ただよう場所があおよそ三百三十メートルも登ると、十数メートルものその補ふ陀だ山さんにおいしげった竹やいばらをかきわけてし、補ふ陀だ山さんという神しん聖せいな山がそびえていました。平和に栄さかえていました。風ふう景けいも美しく、阿あ胡こ之の海うみに面ことです。奈な古ごはそれよりさらに三百六十年も前から、始まりは長ちょう久きゅう三年(一〇四二)、後ご朱す雀ざく天てん皇のうの時代のわるお話をしましょう。観かん音のんの由来』をもとに、十じゅう一いち面めん観かん音のんと寺の起き源げんにまつした。大だい覚かく寺じの住じゅう職しょく・春しゅん梁りょ大うだい和お尚しょがう書かれた『十じゅう一いち面めんかけになった十じゅう一いち面めん観かん音のん像ぞうが大切に受け継つがれて来ま大だい覚かく寺じはもとは光こう應おう寺じという名で、寺が起こるきっ大だい覚かく寺じの十じゅう一いち面めん観かん音のん届とけどた観かん音のん像ぞう巨きょ大だいな岩の前の奇き跡せがきに朗ろう々ろうと響ひびき渡わたりました。でも村の人々は、永えい満まんがいっ休むことなく読み続つづけるその声は、奈な古ごの山村・漁ぎょ村そんの前に座すわると、観かん音のん経きょうを読み始めました。昼も夜も、した。苦く労ろうして山の頂ちょう上じょうに着いた永えい満まんはお目当ての岩岩を、ぜひ拝おがませていただきたい」と補ふ陀だ山さんに登りま古ごにやって来て巨きょ大だいな岩の噂うわをさ聞きつけ、「その大きなある日のこと、どこからか永えい満まんというお坊ぼうさんが奈な航こう海かいの安全を祈いのって岩を拝おがみました。拝おがみました。もちろん阿あ胡こ湾わんを出入りする船人たちもたちは「まるで観かん音のん様さまのお姿すがのたようだ」と一心に岩をきを届とどけ、村人の巨きょ大だいな岩に輝かがやが、それぞれこ夜には月の光照てらす陽の光が、から阿あ胡こ之の海うみをは東ひがし側がわの山の端はしりました。朝に28