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概要

未来へ伝えたい阿武の昔ばなし

大覚寺の十一面観音と告つげ、静しずかてください」ここに安あん置ちしです。どうか師し・行ぎょう基きの作の東とう大だい寺じの導どう(今の奈な良ら県けん)笈おいの中には十じゅう一いち面めん観かん音のんの尊そん像ぞうがあります。これは南部前で経きょをう読み続つづけている永えい満まんに近づくと「私わたのし背せ中なかのきました。老ろう僧そうは、昨さく夜やの奇き跡せきの後もなお巨きょ大だいな岩のその翌よく日じつ、旅の老ろう僧そうが笈おいを背せ負おって補ふ陀だ山さんに登ってびに包つつまれるのを感じました。不ふ思し議ぎな一夜でした。りしましたが、次の瞬しゅん間かん、心が自由になって最さい高こうの喜よろこ照てらしたのです。お経きょをう読み続つづけていた永えい満まんはびっくこりました。巨きょ大だいな岩から突とつ然ぜん、光が出て、山や川をそうして幾いく日にちかが過すぎた、ある夜のこと、奇き跡せきが起誰だれひとりとして知らなかったのです。たいどこから来てどんな修しゅ業ぎょうに励はげんでいる僧そうなのか、取材協力大覚寺〕〔参考資料『阿武町史』のです。奥おくの院の所に置おかれ、人々から敬うやわまれ、拝おがまれ続つづけた新しいお堂どうに移うつされるまで六百四十五年もの間、現げん・続つづきました。そして十じゅう一いち面めん観かん音のん尊そん像ぞうは、山のふもとのの大だい覚かく寺じに変かわるまでの五百二十八年間、同じ場所で光こう應おう寺じはその後、慶けい長ちょう十五年(一六一〇)に曹そう洞とう宗しゅうました。尊そん像ぞうを安あん置ちしたいきさつを記き念ねんして「光こう應おう寺じ」に決め寺の名は、不ふ思し議ぎな光のお知らせによって十じゅう一いち面めん観かん音のん務つとめだ」と心に決めて山のふもとに寺を建たてたのです。さらに「このありがたい観かん音のん様さまをお守りするのが私わたのしぎで巨きょ大だいな岩の前に草のお堂どうを造つくってその像ぞうを安あん置ちし、感動した永えい満まんは十じゅう一いち面めん観かん音のん尊そん像ぞうをおしいただき、大急このことのお告つげだったのか」と納なっ得とくがゆきました。に立ち去りました。永えい満まんは驚おどきろながらも「昨さく夜やの光は29