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概要

未来へ伝えたい阿武の昔ばなし

高尾の三度栗度、実みのるから」とおっしゃいました。「たった一つじゃが、この栗くりを植えてごらん。一年に三たもとから栗くりを一つ取り出しておかみさんに渡わたし、大たい師しはたいそうお喜よろこびになり、お礼のしるしにと、して心を込こめてお接せっ待たいしました。まずはおかけください」と言って、お茶とゆで栗ぐりを出たが、手を休め、にこにこしながら、「どうぞどうぞ。まれました。そこのおかみさんは機はた織おりをしていまし大たい師しは一いっ軒けんの農家で「水を一いっ杯ぱいくださらんか」と頼たのられた時、途と中ちゅでう宇う生ぶ賀かにお立ち寄よりになりました。昔々、弘こう法ぼう大だい師しがお説せっ教きょをうしながら諸しょ国こくを回ってお高たか尾おの三さん度ど栗ぐり〈宇う生ぶ賀かの七なな不ふ思し議ぎ〉なんと…大たい師しからの贈おりく物は〔参考資料『福賀村郷土誌』〕んはびっくりしました。に栗くりの木はその年に三度、実をつけました。おかみさ驚おどいろたことに、大たい師しがおっしゃったとおり、ほんとうり忘わすれていましたが、ある年、栗くりの実がなりました。月日がたち、おかみさんは栗くりの木のことなどすっか先に栗くりを植えておきました。大たい師しが立ち去られると、おかみさんはさっそく、庭56