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概要

未来へ伝えたい阿武の昔ばなし

竜権様の思い出くと不ふ思し議ぎと雨が降ふり出しました。村人たちは「竜りゅう権ごん持って山に登り、竜りゅう権ごん様さまにお供そなえしてからその石をままた、雨が降ふらず田植えができない時は、石ころをは大切にしていました。としての信しん仰こうも厚あつく、特とくに水の恵めぐみを受ける農家の人々から救すくう力を持つ神と言われています。また水の神様や水を支し配はいし、仏ぶっ法ぽうの守しゅ護ご神しんで、人間を迷まよいの苦しみる蛇へび形の鬼き神しんで、雨竜りゅう権ごん様さまは、神力のあまつってあります。の頂ちょう上じょうには竜りゅう権ごん様さまが福田上かみの伊い良ら尾お山やま竜りゅう権ごん様さまの思おもい出で村人と近かった頃ころ大切な水の神様が〔資料提供田中梅市氏〕で歩いて登り、祭さい事じをしています。組くみ合あい法ほう人じん・福ふくの里さとの役員と太たい用よう寺じの住じゅう職しょくが山さん頂ちょうまらの湧わき水みずの恵めぐみを受けている地じ元もと自じ治ち会かい、農のう事じ最近は、毎年五月最初の日曜日に、伊い良ら尾お山やまか印いん象しょにう残のこっていると古こ老ろうが話してくれました。を吹ふいて天に昇のぼって行く絵え図ずを見ているようで、強く音をたててめらめらと燃もえ盛さかるさまは、まさに竜りゅがう火ました。夜空を焦こがすような松たい明まつの灯あかり。時とき折おり大きなちるといっせいに火をつけて家か内ない安あん全ぜんや豊ほう作さくを祈き願がんし春はる木き橋ばし付ふ近きんの道路にずらっと並ならべて立てます。日が落松たい明まつを四、五束たばずつ用意して持ち寄より、竜りゅう権ごん様さまの見える夜にありました。竜りゅう権ごん様さまに灯あかりを灯ともすために、各かく家いえで「竜りゅう権ごん様さまのお祭り」は毎年、立春から二百十日目のうにしていました。山登りをしても石ころを落としたり投げたりしないよ様さまのお力じゃ。大切にしよう」と申し合わせ、日ひ頃ごろは57