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概要

未来へ伝えたい阿武の昔ばなし

青い目の人形れる、福ふく賀が小学校のみんなの大切なお友ともだち達でした。歳さいげつ月が流れ、平へいせい成の時代になってパシーちゃんはしばらく福ふく賀がを離はなれることになりました。同じように日本各かく地ちに残のこされていた三十体の人形たちといっしょに、少しの間アメリカに里帰りすることになったのです。「久ひさしぶりに自分の生まれた国に帰れるんじゃね」「お友ともだち達にも再さいかい会できてうれしいじゃろうね」「いってらっしゃい、帰ってくるの、待っちょるよ」福ふく賀が小学校のみんなは、優やさしくパシーちゃんを送り出しました。ところが旅の途と中ちゅでうパシーちゃんは行ゆく方え不ふ明めいになり、とうとう福ふく賀が小学校へは帰って来ませんでした。二度と会えなくなったパシーちゃんのことを思い、福ふく賀が小学校のみんなは寂さびしく思いました。翌よくとし年、アメリカのサンフランシスコから新しい人形が贈おくられて来ました。福ふく賀が小学校では、この新しい人形に「パシー二世」と名前をつけました。その後、「ディティちゃん」「メアリーちゃん」の二体の人形も加くわわり、福ふく賀が小学校の子どもたちは、いなくなったパシーちゃんの代わりに大切にしています。はるばる海を渡わたってやって来た青い目の人形たちは、昔も今も、子どもたちの大事なお友ともだち達です。〔参考資料『阿武町史』〕75