ブックタイトル未来へ伝えたい阿武の昔ばなし
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未来へ伝えたい阿武の昔ばなし
娘むすめをしっかりと鞍くらに縛しばりつけ、急ぎ足で歩き出しました。万まん吉きちは娘むすめを馬に乗せてやると手早く荷に綱づなでと困こまっているように言いました。日も暮くれてしもうて、えろう難なん儀ぎしちょります」「私わたしも宇う田たまで帰る途と中ちゅうですが、足が痛いたくて、と言うと、娘むすめはうれしそうに寄よって来て「わたしゃあこの先の宇う田たまで帰るんじゃ」そう思った万まん吉きちはわざと平気なふりをしてきっと例れいの狐きつねに違ちがいない。うっかりできんぞ」人里離はなれたところにおるのは変へんじゃ。こりゃあ「はぁて、今時分、若わかい娘むすめがひとりでこのさびしい人をだますというので有名なところでした。この蟹かにヶが尻じりというところはよく狐きつねが化けて出てと娘むすめが聞いてきました。「あなたはどちらまでお行きになるんですか」道みち端に立っています。ばた年の頃ころがはたちばかりのきれいな娘むすめがひとり、81