ブックタイトル未来へ伝えたい阿武の昔ばなし
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未来へ伝えたい阿武の昔ばなし
〔資料提供堀伝吉氏〕そしてその年の万まん吉きちの田はずいぶん豊ほう作であったそうです。さく万まん吉きちとおかみさんはたいそう喜よろこびました。「こりゃあ昨ゆう夜べの狐きつねの恩おん返しにがえ違ちがいない」田のあぜに狐きつねの足あし跡がいっぱいあと残のこっていました。青々とした苗なえが風に揺ゆれて光っています。よく見ると万まん吉きちはもう一度田んぼに行ってみました。近所を聞いて回りましたが、誰だれも知らないと言います。いるではありませんか。ふたりはびっくりして、今日植えるつもりでいた苗なえがみごとに植えつけられて翌よく日朝早く、じつ万まん吉きちたちが田んぼに行くと、すぐに床とこに入って寝ねてしまいました。と言いながら家に入り、遅おそい晩ばんご飯はんを食べるとそれより明日の田植えの用意はできちょるかの」あんまり悲しそうに鳴くから逃にがしてやったでよ。「娘むすめに化けた狐きつねを蟹かにヶが尻じりから馬に乗せて来たんじゃけどの、83