ブックタイトル未来へ伝えたい阿武の昔ばなし
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未来へ伝えたい阿武の昔ばなし
提灯松の由来村むら境ざかのいあたりまで来ると、それまでの登り坂から緩ゆるほとばしる汗あせをぬぐうひまもなく歩き続つづけていました。り道は小走りで、背せ負おった郵ゆう便びん物ぶつの重さに耐たえながら、め、その日もいつものように、登り道は急ぎ足で、下で運ばなければならないという厳きびしい決まりがあるたて出発しました。約やく十キロメートルの道のりを二時間ある秋の午後、飛ひ脚きゃのく若わか者ものは須す佐さから宇う田たに向かっお話です。は往おう還かん道どうを飛ひ脚きゃにくよって運ばれていました。その頃ころの百五十年前、須す佐さ郵ゆう便びん局きょくと宇う田た郵ゆう便びん局きょくの間の郵ゆう便びん物ぶつ手により、制せい度どが次々に改かい革かくされた、今からおよそ徳とく川がわ幕ばく府ふによる武ぶ家け政せい治じは終わり、明めい治じ新しん政せい府ふの提ちょう灯ちん松まつの由ゆ来らい提ちょう灯ちがん標ひょう的てにき松まにつ吊つり下げられたた人で、旅人のような身なりをしていました。が見え、だんだん近づいてきました。それは提ちょう灯ちんを持っ急ぎながら坂を下りていくと、夕ゆう闇やみの向こうに灯あかりくも夜のとばりに包つつまれ始めました。は、つるべ落としの秋の日は西に落ちて、あたりは早やかな下り坂になります。下り坂にさしかかった頃ころに92