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概要

未来へ伝えたい阿武の昔ばなし

提灯松の由来したがすぐに我われに返り、同時に何か言い知れない胸むな騒さわ飛ひ脚きゃのく若わか者ものは、突とつ然ぜんのことであっけにとられていま急いで行ってしまいました。持っていた提ちょう灯ちんをいきなり飛ひ脚きゃにく渡わたすと須す佐さのほうへ私わたはし狩かりゅ人うどで夜よ目めがきくので大だい丈じょう夫ぶですから」と言って、いことでしょう。この提ちょう灯ちんを持ってお急ぎください。すれ違ちがう時、その人が「お兄さん、背せ中なかの荷物は重〔資料提供谷清一氏〕の後、その松まつは「提ちょう灯ちん松まつ」と呼よばれていたそうです。今はもう切られてしまってありませんが、その事じ件けんたということです。氏しの裏うら山やまの方向で、県道明あけ見み崖がけの上通りの旧きゅう道どうであっれ提ちょう灯ちんを現げん場ばで確かく認にんしました。また、現げん場ばは茂も刈がり要よう槌づち事じ件けん直後、大おお刈がりの青あお木き倉くら松まつ氏しが、撃うち落とされた破やぶして宇う田た郵ゆう便びん局きょへく急ぎ帰りました。く難なんを逃のがれたのです。飛ひ脚きゃはく青あお息いろ吐と息いきで転げるようには提ちょう灯ちんを松まつに吊つって置おいてきたおかげで、間かん一いっ髪ぱつ危あやう寂じゃをく破やぶって轟ごう音おん一発、銃じゅう声せいが響ひびきました。飛ひ脚きゃのく若わか者もの岬みさのき道を曲がりすぎた頃ころ、暗くら闇やみの中からあたりの静せい宇う田たへ向かいました。に路ばたの往おう還かん松まつの小こ枝えだに提ちょう灯ちんを吊つり下げて、急いでおかしい」直ちょっ感かん的てきに身の危き険けんを感じた飛ひ脚きゃはく、とっさぎを覚おぼえ、急に不ふ安あんになりました。「これは何か変へんじゃ。93