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概要

未来へ伝えたい阿武の昔ばなし

鳴けなくなった蛙ろいろと思し案あんをしました。聞きわけるわけがありません。お坊ぼうさんは困こまって、いてきます。そこでまた「やめろ!」と叫さけんでも、蛙かえがるなるのですが、また鳴き始め、一いち段だんと大きく耳に入っめろ!」と怒ど鳴なりました。怒ど鳴なるとしばらくは静しずかにこでお坊ぼうさんは田んぼに向かって「やかましいっ!やですが、蛙かえのる鳴き声がうるさくて頭に入りません。そある夏の夜、お経きょをう覚おぼえようとして一いっ生しょう懸けん命めい励はげむのるために日にち夜や修しゅ行ぎょにう励はげんでいるお坊ぼうさんがいました。のお寺がありました。そのお寺には立りっ派ぱなお坊ぼう様さまにな昔々、宇う生ぶ賀かの友とも広ひろ(三さん和わ)に西さい光こう寺じという真しん言ごん宗しゅう鳴なけなくなった蛙かえる〈宇う生ぶ賀かの七なな不ふ思し議ぎ〉なったので…勉強のさまたげに〔参考資料『福賀村郷土誌』〕り、「不なか鳴ずの蛙かえ」るという言い伝つたえが残のこっています。それからというものは、そこに住む蛙かえはる鳴かなくな偉えらいお坊ぼう様さまになりました。のお勤つとめをすませてはこつこつと勉強に励はげみ、のちに落ち着いて仏ほとのけ道を勉強することができる」と、お寺喜よろんこだお坊ぼうさんは「蛙かえにるは悪いことをしたが、これで寺の周しゅう囲いの蛙かえはるまったく鳴かなくなってしまいました。い続つづけました。するとどうでしょう。数日たつと、おさっそく昼も夜も呪のろやろう」声が出ないようにして蛙かえにる呪じゅ文もんをかけて鳴ききました。「よしよし、を見ていてふと思いつある日、田んぼの蛙かえる50